第6講「円の性質」(1)円周角(1/2)
「(佐藤の)数学教科書[三角比・平面図形編]」(東進ブックス)の学習
先ず、中学で習った円周角の性質を復習します。
(接弦定理のおぼえ方)
以下の図のように弦ATについて完成させた(対称な形に完成)図形を想像して接弦定理と拡張円周角の定理を覚えると良いと思います。
また、以下のように完成させた図形を想像してください。
上図のように、円を書いて補助線を引いて、同じ長さと分かる長さをことごとく記録し、
同じ角度とわかる角度をことごとく書きます。
すると、中学で習った円の角度に関する定理がほとんど思いだせると思います。
(例えば、円周角の◎と、円の接線とその接点を通る弦の作る角◎が等しい「接弦定理」など)
以下で、はじめから順に、これを書いてみます。
リンク:
使い易い形の拡張円周角の定理と円周角の定理
方べきの定理
高校数学[三角比・図形]一覧
高校数学の目次
中学数学の目次
三角形の合同の条件は、中学で以下の3つを教わったと思います。
三辺が等しい場合
二角とその間の辺が等しい場合
二辺とその間の角度が等しい場合
【合同の条件(微妙なもの)】以下で、合同の条件で微妙なものを考えます。
2つの三角形ABCと三角形DEFを比べて、
1つの角度βと、その角を一端に持つ辺の長さcと、その角をいずれの端にも持たない辺の長さbが等しい場合、はどうでしょうか。
この条件が成り立つ場合、2つの三角形が合同になる場合もありますが、
上の図のように、合同にならない場合もあります。
上の条件だけでは、必ずしも合同にならない場合もあるのです。
そのため、この条件を以下のように微妙に修正することで、合同の条件が得られます。
上図のように、
(1)2つの三角形ABCと三角形DEFを比べて、
1つの90°以上の角度βと、その角を一端に持つ辺の長さcと、その角をいずれの端にも持たない辺の長さbが等しい場合は、
三角形は合同になります。
(学校で教わる条件としては、角度βが直角の場合を、合同の条件として教わっています。)
もう1つの合同の条件もあります。
(2)2つの三角形ABCと三角形DEFを比べて、
1つの角度βと、その角を一端に持つ辺の長さcと、その角をいずれの端にも持たない辺の長さbが等しく、
かつ、c<bの場合は、
三角形は合同になります。
(3)更に、下図のように、
角度θを90度以下であるものとして角度を制限すると、
これが合同の条件になります。
すなわち、
1つの角度βと、その角βを一端に持つ辺の長さcと、その角をいずれの端にも持たない辺の長さbが等しく、
かつ、辺cの両端以外の頂点の角度θが90度以下の場合は、
三角形は合同になります。
(4)同様に、
下図のように、
その角度θを90度以上であるものに角度を制限する場合でも、
これが合同の条件になります。
すなわち、
1つの角度βと、その角βを一端に持つ辺の長さcと、その角をいずれの端にも持たない辺の長さbが等しく、
かつ、辺cの両端以外の頂点の角度θが90度以上の場合は、
三角形は合同になります。
(注意)これらの合同の条件は、相似の条件にも利用できると考えます。
中学数学の目次
高校数学[三角比・図形]一覧
リンク:高校数学の目次
(証明のポイント)
ピタゴラスの定理の証明は、つぎの(斜辺が1の)直角三角形で、
(d×d)+(e×e)=1
を証明すれば十分な証明になります。
そのため、斜辺の長さが1の直角三角形を、斜辺に垂直な線(点線)で2つに分けると簡単に証明できる。
2つに分けられた線の長さはd2とe2。
(証明開始)
問題の図形を斜辺に垂直な線(点線)で2つに分けます。
点線の左と右の三角形の底辺のながさをたすとながさが1の斜辺になります。
ここで、以下で計算するように、
点線の左の直角三角形の底辺のながさは、(d×d)であって、
点線の右の直角三角形の底辺のながさは、(e×e)ですので、
(d×d)+(e×e)=1
がなりたちます。
以下で、それぞれの長さを順に計算します。
(1)まず、左の直角三角形の底辺のながさをしらべます。
左の直角三角形は、元の大きな直角三角形と角度がおなじ三角形ですから
元の大きな直角三角形と相似な三角形です。
左の直角三角形の斜辺のながさが元の直角三角形のd倍ですから
直角三角形の底辺を分割した左側の線分のながさは、
元の直角三角形の底辺のながさdをd倍したながさの
(d×d)
になります。
(2)どうようにして、
直角三角形の底辺を分割した右側の線分の長さは、
(e×e)
になります。
(証明おわり)
リンク:
(高校)tanとcosで表した三平方の定理
三角形の内角の和が180のやさしい証明
中学数学の目次
高校数学の目次