円順列とじゅず順列の数を求めます。
【問1】
(1)●2個と○3個を円形に並べる方法(円順列)は何通りあるか。
(2)更に、それらを連結したじゅずを作る方法(じゅず順列)は何通りあるか。
《解答方針》
この問題は、上図のような黒玉1と黒玉2の並びが異なる配置を区別しない問題です。同じ色の玉の間では、1つ1つが異なる玉の個性のバラエティを無くして考えます。このように玉の個性のバラエティを無くして計算する問題の場合は、「組合せ」を使って計算します。
【解答】
(1)先ず、円順列の数を求めます。
円順列の問題とは、円に配置した玉の配置を、円の中心の周りに回転させる操作をしたら重なる配置を同じ配置とみなして配置の数を数える問題です。
上図では、玉●と○を並べる席が2+3=5箇所あります。
5つの席が固定されているならば、●玉2つを並べる組み合わせの数は、
5C2=5×4/2=10通り
あります。
上図の固定した席への●と○の配置は1回転させると元の形の配置に戻ります。また、1/5回転させる毎に異なる配置になり、1回転させるまでに5つの異なる配置になります。
固定した席への配置の数は、席を固定しない円順列の配置の数の5倍あります。
そのため、固定した席での全配置の数の10通りの配置の数を5で割り算した答えが円順列の数です。
円順列の数=10/5=2
(2)次に、じゅず順列の数を求めます。
じゅず順列の問題とは、円に配置した玉の配置を、ある中心線に対して線対称な形に変換する(裏返す)操作と、円の中心の周りに回転させる操作によって重なる配置同士を同じ配置とみなして配置の数を数える問題です。
また、中心線に対して線対称な形に変換する(裏返す)操作は、その他の任意の中心線に対して線対称な形に変換する操作と、円の中心の周りに回転させる操作を合わせた操作と同じです。
じゅず順列の場合の数を計算するには、円順列の配置毎に、
円の中心を通る裏返し線に関して、元の配置を対称な形に裏返して(線対称な形に変換して)、円の中心の周りに回転させた配置が、円順列においては元の配置とは異なる配置であるかどうかを調べます。それは、その配置の形が円の中心を通るどの直線に対しても線対称では無いか、あるいは、ある直線に関して線対称であるどうかを調べる事と同じです。
上図の問題の場合は、どの円順列の配置の形も、
円の中心を通る裏返し線の位置を、2つの●玉の中間を通る位置に設定すれば、
その裏返し線に関して配置の形が線対称です。そのため、任意の裏返し線においても、その線を中心にして配置を対称な形に変換する操作と、円の中心の周りに回転させる操作を合わせた操作では、元の配置と同じ形の配置になります。
そのように、じゅず順列の配置を裏返し線に関して線対称な形に変換する裏返し操作をしても、
その配置が元の円順列の配置の形と同じになるので,じゅず順列の配置の数は、円順列の配置の数と同じ、2組です。
場合の数と確率
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【問1】点P(a,b)と点Q(X,Y)の間に、次の関係があるものとする。
X=ka/(a2+b2) (式1)
Y=kb/(a2+b2) (式2)
(kは0でない定数)
点P(a,b)が直線12x-5y+1=0上を動くとき、点Q(X,Y)はどんな図形を描くか。
ここで、直線の式に点P(a,b)の座標を代入した式3を書いておく。
12a-5b+1=0 (式3)
(解き方の方針)
この問題は、式3の直線上の点Pと原点を結ぶ半直線上の点Qに関して、OP・OQ=kとなる場合のQ(X,Y)の軌跡を、Xのみをパラメータa又はbであらわす式と、Yのみをパラメータa又はbであらわす式とを求めた後に、
それらの式からXとYの関係式を考える問題です。
以下では、そのような場合に、素早く問題を解く計算技術を示す。
(解答)
式1と式2のような式のグループからパラメータa又はbを消去する場合の計算技術としては、
(1)先ず、式1と式2が同じ形の分母を持っていることに注目する。
(2)次に、式1の分子と式2の分子を足し算して式1及び2の分母ができるか、あるいは分子からパラメータa又はbを消せないかを考える。
(3)単なる足し算で式1及び式2の分母ができない場合は、次に、式1の分子の二乗と式2の分子の二乗を足し算して式1及び2の分母ができるかを考える。
この問題の場合、式1の分子の二乗と式2の分子の二乗を足し算して式1及び2の分母ができることがわかるので、式1の二乗と式2の二乗を足し算する。
X2+Y2=k2{a2+b2}/(a2+b2)2
X2+Y2=k2/(a2+b2) (式4)
この式4により、分子にはパラメータaもbも含まれず定数のみであらわせた式が得られた。
この式4と、式1と式2を使って、分母が同じで、分子が式3であらわされる式を作る。
その式は、分子が式3を満足するので、値が0である。
12(X/k)-5(Y/k)+(X2+Y2)/k2=0
12kX-5kY+(X2+Y2)=0 (式5)
(計算技術についての考察)
ここまでの計算で、bは式3により、aであらわせる式であるが、分母が共通な式を利用して、分子だけで式3を満足する式を作った。この計算により、分母のbをaであらわす計算をせずに、分母を含めて、パラメータであらわされた項をまとめて消去することに成功した。このようにすることで、分母を計算する手間が省けた。
なお、ここで(0,0)を式5に代入すれば左辺が0になるので、点(0,0)は式5の円を通る。このことに注目して、おぼえておく。
次に、式5を変形する。
(X+6k)2+(Y-(5k/2))2=(6k)2+(5k/2)2
(X+6k)2+(Y-(5k/2))2=(13k/2)2
この式は中心が(-6k,(5k/2))にあり、(0,0)を通り、半径が(13k/2)の円である。
この円と直線の関係をあらわす図を下の図のように書ける。
この図で、直線上の点P(a,b)が左右方向に無限遠方に遠ざかれば、Q(X,Y)は(0,0)に近づくが、Q(X,Y)は決して(0,0)には到達しない。
この図を書くことにより、そのことが明確にわかる。
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【問1】円x2+y2=1と定点A(3,-2)がある。この円周上の動点Qにおける接線上に点P(X,Y)をとり、AP=2PQにするとき、点Pの軌跡の方程式を求めよ。
(目標の設定)
この問題を解く方針の検討において、定石に従って、先ずは、P点のX座標のみを何かのパラメータであらわす第1の式と、Y座標のみを何かのパラメータであらわす第2の式を求めたかった。定石では、その次に、XとYの間に成り立つ関係式を求める。
しかし、X座標又はY座標を何らかのパラメータを使ってあらわす式は、簡単には導けそうにない。そのX座標あるいはY座標をあらわす式を求めるためには、2次方程式を解かなければいけないように見える。
そうするには、その式を求めるだけでも、ずいぶん手間がかかりそうだ。
そのため、仕方ないので、定石である上記の方針を変更して、先ずは、点PのX座標とY座標の間になりたつ関係式を導くことにする。そして、その関係式をあらわすグラフを描いて、図を見ることで、求められた方程式があらわすグラフのどの部分を、点Pが動くかを調べることにする。
(解答)
接点QからPまでの線分の長さQPは、三角形OQPが直角三角形であることからQP=√(OP2-OQ2)である。そのため、以下の式が成り立つ。
QP2=OP2-OQ2
QP2=X2+Y2-1 (式1)
2PQ=APであるので、
(2PQ)2=AP2
4{X2+Y2-1}=(X-3)2+(Y+2)2
3X2+3Y2-4=-6X+9+4Y+4
3X2+6X+3Y2-4Y=17
X2+2X+Y2-(4/3)Y=17/3
(X+1)2+(Y-(2/3))2=(17/3)+1+(2/3)2
(X+1)2+(Y-(2/3))2=(51/9)+(9/9)+(4/9)
(X+1)2+(Y-(2/3))2=(8/3)2 (式2)
ここで、この円は、下の図のようになる。
P点がこの円上の全範囲を移動するかどうか、Q点の位置が移動する場合にP点がどこに来るかを図を見ながら検討する。
この図の場合は、点Qが円x2+y2=1の全円周上を移動する場合に、AP=2PQの関係を満足する点Pも(式2)の全円周上を動くことが図からわかる。
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【問1】直線y=mxと円(x-2)2+y2=3が2点PとQで交差する場合において、mの変化範囲が、交差点のP、Qが存在し、かつ、その2点が重ならない場合における、線分PQの中点Rの軌跡を求めよ。
この問題を解く方針としては、Xのみをパラメータaであらわす式と、Yのみをパラメータaであらわす式を求めて、それからXとYの関係式を考える方が確実な解き方と考える。
大学の入学試験でも、そのようなやり方で問題を解く学生を合格させたいと考えるのではないかと思います。
そのため、以下では、その方針で問題を解きます。
計算する上で記号を間違えないために、P点の座標をP(a,b)とし、Q点の座標をQ(c,d)とあらわして計算する。
PQの中点R(X,Y)は以下の式であらわされる。
X=(a+c)/2 (式1)
Y=(b+d)/2 (式2)
交点PとQは以下の式で求められる。
y=mx (式3)
(x-2)2+y2=3 (式4)
式3を式4に代入してyを消去してxをmであらわす。
(x-2)2+(mx)2=3
(m2+1)x2-4x+1=0 (式5)
この式5は点Pのx座標aと点Qのx座標cに関しては以下の式であると考えられる。
(m2+1)(x-a)(x-c)=0 (式6)
式5と式6が同一式であるので、以下の関係がなりたつ。
-4x=-(m2+1)(a+c)x
この式を変形する。
(a+c)=4/(m2+1) (式7)
この式7を式1に代入して以下の式を得る。
X=(a+c)/2=2/(m2+1) (式8)
式3のx=aであるときy=b、x=cであるときy=dである関係を使って式2を変形する。
Y=(b+d)/2=m(a+b)/2
この式に式7を代入して以下の式を得る。
Y=m(a+c)/2=2m/(m2+1) (式9)
式8と式9でXとYがmであらわせた。
このような式のグループからmを消去する場合の計算技術としては、
(1)先ず、式8と式9が同じ形の分母を持っていることに注目する。
(2)次に、式8の分子と式9の分子を足し算して式8及び9の分母ができるか、あるいは分子からパラメータmが消えないかを考える。
(式8の分子にはパラメータmが無いので、既に、この条件を満たす式8が得られている。この式8は後で用いる。)
(3)単純な足し算では、式8及び9の分母が出来ない場合は、、式8の分子の二乗と式9の分子の二乗を足し算して式8及び9の分母ができるかを考える。
この式8の分子の二乗と式9の分子の二乗を足し算して式8及び9の分母ができることがわかります。
そのため、式8の二乗と式9の二乗を足し算します。
X2+Y2={1+m2}(2/(m2+1))2
X2+Y2=22/(m2+1) (式10)
式10と式8は、分母が同じで、その分子にはパラメータmが入っていないことに注目する。そのため、式10と式8に係数を掛け算して足し合わせることで、右辺の複雑な分数の式を消去できるので、以下でそうする。
-2・(式8)+(式10)を計算する。
-2X+X2+Y2=0
(x-1)2+Y2=1 (式11)
ここで、この円と直線は、下の図のようになる。
式5でmの範囲が負のある値から正のある値までの範囲内にあれば、直線y=mxと円とが交差する。その境界の値では両者が接して点PとQが重なってしまう。
そのため、異なるP点とQ点で直線と円とが交差するためには、直線が円に接する場合は除外しなければならない。
しかし、式8と式9では、直線y=mxが円に接しない場合でも存在しないP点とQ点の中点のRの座標が計算されてしまっている。
(これは、存在しない交点のP点とQ点の座標が複素数で与えられ、その中点のRが実在の点として存在していることをあらわしているが、そういう概念は高校数学の範囲を大きく超えるので、この問題を解くには、それは考えないことにする。)
P点とQ点が重なる場合、すなわち、直線y=mxと円とが接する場合のmの値を式5から計算する。
(以下の計算は「判別式」を急きょ導出する計算です:判別式を思い出しても、その記憶の確かさを確認するのが面倒と思っている人専用の解き方です)
そのmの値は、式5が重根を持つ、以下の式12に等しくなる場合のmの値である。
(m2+1)(x-a)2=0 (式12)
この式12を式5と比べる。
2(m2+1)a=4 (式13)
(m2+1)a2=1 (式14)
(式13)を式14に代入してaを消去する。
(m2+1)(2/(m2+1))2=1
4=(m2+1)
3=m2
m=±√3 (式15)
この式15を式8に代入する。
X=2/((±√3)2+1)=2/4=1/2
式15を式9に代入する。
Y=2(±√3)/((±√3)2+1)=(±√3)/2
よって、R(X,Y)の描く軌跡は、mが-√3近くから+√3近くまで変わるときに、
(1/2)<X≦2
の範囲の上図の円(式11)の範囲を、
(1/2,-√3)の近くから(2,0)を経由して(1/2,√3)の近くまで移動する。
このことは上の図を書くことにより、明確にわかる。
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【問1】原点をOとする。直線x+y=5上をP点が動くとき、半直線OP上に、OP・OQ=20となる点Qを置く。そのQ点の軌跡を求めよ。
計算する上で記号を間違えないために、P点の座標をP(a,b)とあらわして計算する。
a+b=5 (式1)
X=t・a (式2)
Y=t・b (式3)
√{a2+b2}・t√{a2+b2}=20
∴ t{a2+b2}=20 (式4)
この問題を解く方針としては、Xのみをパラメータaであらわす式と、Yのみをパラメータaであらわす式を求めて、それからXとYの関係式を考える方が確実な解き方と考える。
大学の入学試験でも、そのようなやり方で問題を解く学生を合格させたいと考えるのではないかと思います。
そのため、以下では、その方針で問題を解きます。
式1から、
b=5-a (式5)
式5を式4に代入して整理する。
t=20/{a2+(5-a)2} (式6)
式6を式2に代入する。
X=20a/{a2+(5-a)2} (式7)
式6と式5を式3に代入する。
Y=20(5-a)/{a2+(5-a)2} (式8)
式7と式8でXとYがaであらわせた。
このような式のグループからaを消去する場合の計算技術としては、
(1)先ず、式7と式8が同じ形の分母を持っていることに注目する。
(2)次に、式7の分子と式8の分子を足し算して式7及び8の分母ができるか、あるいは分子からパラメータaを消せないかを考える。
この式7の分子と式8の分子を足し算すれば、分子から変数aが消去できることがわかります。
そのため、式7と式8を足し算する。
X+Y=20・5/{a2+(5-a)2} (式9)
(3)次に、式7の分子の二乗と式8の分子の二乗を足し算して式7及び8の分母ができるかを考えます。
この式7の分子の二乗と式8の分子の二乗を足し算して式7及び8の分母ができることがわかります。
そのため、式7の二乗と式8の二乗を足し算します。
X2+Y2
={a2+(5-a)2}(20/{a2+(5-a)2})2
=202/{a2+(5-a)2} (式10)
式9と式10の分母が同じで、しかも、その分子にはパラメータaが入っていないことに注目する。そういう場合には、式9と式10に係数を掛け算して足し合わせることで、右辺の複雑な分数の式を消去できるので、以下でそのようにする。
-(式9)・4+(式10)を計算する。
-4(X+Y)+X2+Y2=0
(x-2)2+(Y-2)2=8
ここで、この円と直線は、下の図のようになる。
式7と式8でaが負の無限大か正の無限大に大きくなれば、X=0,Y=0に近づくが、Q(X,Y)は決して(0,0)には到達しない。
この図を書くことにより、そのことが明確にわかる。
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【問1】実数のmの値が変化するとき、2直線
mx-y+5m=0 (直線1)
x+my-5=0 (直線2)
の交点P(X,Y)の軌跡を求めよ。
交点P(X,Y)を与える式は、2直線を与える式をそのまま使うことができる。
mX-Y+5m=0 (式1)
X+mY-5=0 (式2)
ここで、この式を連立してmを消去すれば、XとYの式が得られるが、
その場合は、式からmが消えてしまうので、mの値の増減とともにP(X,Y)がどういうふうに移動して、どこまでがその移動範囲であるかどうかがわからなくなってしまうという欠点がある。
そのため、この問題を解く方針としては、式1と式2から、Xのみをmで与える式と、Yのみをmで与える式を求めて、それからXとYの関係式を考える方が確実な解き方と考える。
大学の入学試験でも、そのようなやり方で問題を解く学生を合格させたいと考えるのではないかと思います。
そのため、以下では、その方針で問題を解きます。
(式1)・m+(式2)を計算してYを消去する。
{m2X-mY+5m2}+{X+mY-5}=0
(m2+1)X+5(m2-1)=0
X=-5(m2-1)/(m2+1) (式3)
(式1)-(式2)・mを計算してXを消去する。
{mX-Y+5m}-{mX+m2Y-5m}=0
-(1+m2)Y+10m=0
Y=10m/(m2+1) (式4)
式3と式4でXとYがmであらわせた。
このような式のグループからmを消去する場合の計算技術としては、
(1)先ず、式3と式4が同じ形の分母を持っていることに注目する。
(2)次に、式3の分子と式4の分子を足し算して式3及び4の分母にできないかを考える。
(3)単純な足し算では、式3及び4の分母が出来ない場合は、分子を二乗して足し算して式3及び4の分母ができないかを考える。
この式3の分子の二乗と式4の分子二乗を足し算すれば、式3及び式4の分母の二乗が作れることがわかります。
そのため、式3の二乗と式4の二乗を足し算します。
X2+Y2
={(m2-1)2+(2m)2}・(5/(m2+1))2
={m4+2m2+1}・(5/(m2+1))2
={(m2+1)2}・(5/(m2+1))2
=52
∴ X2+Y2=52 (式5)
ここで、式5は円の式ですが、そのXは式3のようにmであらわせる。
式3は変形すると
X=-5+10/(m2+1) (式6)
式6は、mが-∞<m<+∞の範囲内で変化するとき、Xが、以下の範囲内を変化することをあらわしている。
-5<X≦+5
すなわち、Xがー5になるには、1/(m2+1)が0にならなければならないが、それは、mがどれだけ大きくても0にはならない。そのため、X=-5は式5があらわす円の一部であるが、その点は式6及び式3ではあらわされない。
式4を見ると、mが正であるか負であるかによってYも正や負になることをあらわしている。
この関係を以下のように図示する。
結局、mが0から負の無限大に向かうとき、P(X,Y)は、式5であらわされる円の(5,0)から負のYの値の円の下側の周を(-5,0)に向かって進む。
mが0から正の無限大に向かうとき、P(X,Y)は、式5であらわされる円の(5,0)から正のYの値の円の下側の周を(-5,0)に向かって進む。
しかし、P点は決して、(-5,0)には到着しない。
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【問1】
下図のように点A(a1,a2)とB(b1,b2)と原点を中心とする半径rの円上を動く点P(p1,p2)とを頂点とする三角形の重心G(x,y)は、点Pがその円上を動くとき、どういう軌跡を動くか。その点G(x,y)の描く軌跡の方程式を導け。
【問2】
次に、点Gがその円周上を完全に一周するかを調べよ。
この問題の解答は、ここをクリックした先にあります。
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第4講 2次方程式の解と複素数
【問】次の式を、xの一次式を分母にする分数の和であらわせ。
1/(x2+1) (式1)
この式1は以下のように変形して解きます。
1/(x2+1)
=1/((x+i)(x-i))
=a/(x+i)+b/(x-i) (式2)
式2のaとbは以下の式を解いて求める。
a(x-i)/((x+i)(x-i))
+b(x+i)/((x+i)(x-i))
=1/((x+i)(x-i))
分子だけ考えて、
a(x-i)+b(x+i)=1 (式3)
式3はxの値が何であっても、いつも成り立っている恒等式であるので、xの係数は0でなければならない。xの係数が0であるために、以下の式4がなりたつ。
b=-a (式4)
式4を式3に代入すると以下の式になる。
a(x-i)-a(x+i)=-2a・i=1
a=1/(-2i)
=i/(-2i・i)
=i/(2)
=i/2 (式5)
式5を式4に代入してbを求める。
b=-i/2 (式6)
式5と式6を式2に代入すると、以下の答えが得られる
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第4講 2次方程式の解と複素数
【問】次の式を因数分解せよ。
x2+2x+2
この式は以下のように変形して解きます。
x2+2X+2
=x2+2X+1+1
=(x+1)2+1
《公式P2-Q2=(P-Q)(P+Q)を使う》
=((x+1)-i)((x+1)+i)
=(x+1-i)(x+1+i)
ここで使った数 i は虚数です。
i×i=-1
という、2乗すると負になる数です。
1-iとか1+iといった数は実数の1と虚数のiを混ぜた数であって、この数を複素数と呼びます。
上のようにして因数分解することで、全ての二次方程式を因数分解できるようになります。
なお、1+iと1-iは互いに共役(きょうやく)な複素数と呼びます。
(1+i)・(1-i)=1-(-1)=2
(1+i)+(1-i)=2
というように、
互いに共役(きょうやく)な複素数は、掛け算しても実数になり、
足し算しても実数になる性質を持ちます。
a+b・i≡z
として、実数aとbを使ってあらわした複素数をzと名付けたとき、
複素数z=a+b・iに共役な複素数(a-b・i)は上線付きのz記号であらわします。
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第4講 2次方程式の解と複素数
2次方程式が因数分解し切れない場合があるのを改善するため、複素数を導入して、全ての2次法廷式を因数分解できるようにする。
【問】次の式を因数分解せよ。
x2+1
この式は以下のように変形して解きます。
《公式P2-Q2=(P-Q)(P+Q)を使う》
x2+1
=(x-i)(x+i)
ここで使った数 i は虚数と呼ばれています。
i2 =-1
という、2乗すると負になる数です。
この虚数 i は、目に見えない世界をあらわす数です。
目に見えない世界をあらわす虚数を使うと、数学がより自由に自然現象を記述できるようになります。
例えば、全ての二次方程式を因数分解できるようになることがその1つのメリットです。
《複素数平面》
横軸に実数をあらわす実軸を持ち、
縦軸に虚数をあらわす虚軸を持つ平面を複素数平面と呼び、
その平面上の点で複素数をあらわします。
上図のように、例えば、虚数 i や、(1+i)/√2などの複素数を複素数平面上の点であらわします。
この複素平面で、実軸の右側にある数”1”が、全ての数の基準です。
この複素平面に置いてあらわした数と0をあらわす座標原点との距離を、”絶対値”と呼び、以下の式のように、複素数zを、|z|というように、||で囲んであらわします。
絶対値の例 |i|=1
上の図には、虚数iの平方根である(1+i)/√2があらわされていますが、(1+i)/√2の絶対値は1であって、(1+i)/√2は、0を中心とする半径1の円上にあります。
しかも、(1+i)/√2の実軸と成す角度は45度で、0と1を結ぶ線(実軸)と、0とiを結ぶ線(虚軸)が成す角90度のちょうど半分です。
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