2014年1月1日水曜日

絶対に試験に出ない重複組合せの問題

重複組合せの本サイトの解き方を応用して難問を作ってみました。
多分、この問題は絶対に試験には出ないと思いますので、興味のある人だけ読んでください。
【問5】
1,2,3の3つの数字の中から、以下の例外規則以外では同じ数字を複数選べる。例外規則とは、選ぶ数字のうち一番大きい数字は1つしか選ばない。その規則の下で、
数字を3つ選んで作る数字の組合せの数は何個あるか。

この問題の組合せ例をいくつか書くと、
選らんだ数字を左から小さい順に整列して書くと、
(1,1,2)
(1,2,3)
・・・
と順次に書けます。
ただし、問題の条件により、
(2,3,3)はダメです。
(1,2,2)もダメです。
(1,1,1)もダメです。
この整列した組合せの数を求める問題です。

この問題は、その解の組み合せと1対1に対応する別の組み合わせを求める以下の問題を考えます。そして、その組み合わせの数を考えると解けます。

その組合せは、以下の、
数字を直接に指定する3つの指令と、
数字を間接的に指定する1つの指令
とから成る合計4つの指令のうちから3つを選ぶ組合せと1対1対応します。

1選択指令:数字1を選ぶ。
2選択指令:数字2を選ぶ。
3選択指令:数字3を選ぶ。
第2指令:整列表示した、2番目の数字を1番目の数字と同じ数字にする。

上の指令から3つを選ぶ。
(1選択指令、2選択指令、3選択指令)から選ばれた数字選択指令を数字の小さい順に、順番が抜けている第n指令の位置に配置する。

この指令の組合せは、例えば、
(1)1選択指令:数字1を選ぶ。
第2指令:整列表示した、2番目の数字を1番目の数字と同じ数字にする。
(3)3選択指令:数字3を選ぶ。
です。
この指令の組合せの結果、
(1,1,3)の数字の組合せが選ばれます。

また、例えば、
(1)2選択指令:数字2を選ぶ。
第2指令:整列表示した、2番目の数字を1番目の数字と同じ数字にする。
(3)3選択指令:数字3を選ぶ。
この指令の組合せの結果、
(2,2,3)の数字の組合せが選ばれます。

大事なポイントは、この指令の組み合わせが、
「3つの数字の中から以下の例外規則以外では同じ数字を複数選べる。例外規則とは、選ぶ数字のうち一番大きい数字は1つしか選ばない。その規則の下で、数字を3つ選んで作る数字の組合せ」に、
1対1に対応することである。

そのため、
(求める組合せの数)
=(数字を直接選択する3つの指令と、その他の、数字を間接的に指定する指令1つとから成る合計4つの指令のうちから3つを選ぶ組合せの数)
(3+1)
(3+1)=4

実際に全部の組合せを書き出してみると、
(1,1,2)
(1,1,3)
(1,2,3)
(2,2,3)
の4つの組合せのみです。

場合の数と確率
リンク:高校数学の目次

重複組合せ(4)

佐藤の数学教科書[個数の処理・確率編]の136頁に、 以下の例題がありました。
【問4】
1,2,3,4の4つの数字の中から同じ数字を何回も選ぶことを許して、
3つの数字を選ぶ。その数字の組合せの数は何個あるか。

【解答1】
この問題の組合せ例をいくつか書くと、
選んだ数字を左から小さい順に整列して書くと、
(1,1,2)
(2,2,2)
(1,2,4)
(2,3,4)
・・・
と順次に書けます。
この整列した組合せの数を求める問題です。

この問題は、その解の組み合せと1対1に対応する別の組み合わせを求める以下の問題を考えます。そして、その組み合わせの数を考えると解けます。

その組合せは、以下の、
数字を直接に指定する4つの指令と、
数字を間接的に指定する2つの指令
とから成る合計6つの指令のうちから3つを選ぶ組合せと1対1対応します。

1選択指令:数字1を選ぶ。
2選択指令:数字2を選ぶ。
3選択指令:数字3を選ぶ。
4選択指令:数字4を選ぶ。
第2指令:整列表示した、2番目の数字を1番目の数字と同じ数字にする。
第3指令:整列表示した、3番目の数字を2番目の数字と同じ数字にする。

上の指令から3つを選ぶ。
(1選択指令、2選択指令、3選択指令、4選択指令)から選ばれた数字選択指令を数字の小さい順に、順番が抜けている第n指令の位置に配置する。

この指令の組合せは、例えば、
(1)3選択指令:数字3を選ぶ。
第2指令:整列表示した、2番目の数字を1番目の数字と同じ数字にする。
第3指令:整列表示した、3番目の数字を2番目の数字と同じ数字にする。
です。
この指令の組合せの結果、
(3,3,3)の数字の組合せが選ばれます。

また、例えば、
(1)2選択指令:数字2を選ぶ。
第2指令:整列表示した、2番目の数字を1番目の数字と同じ数字にする。
(3)4選択指令:数字4を選ぶ。
この指令の組合せの結果、
(2,2,4)の数字の組合せが選ばれます。

大事なポイントは、この指令の組み合わせが、
4つの数字の中から同じ数字を何回も取ることを許して、1度に3つずつ数字を取って作る組合せに、
1対1に対応することである。
(1)この指令の組み合わせが、1度に3つずつ数字を取って作る組合せを表す。
(2)逆に、1度に3つずつ数字を取って作る組合せは、必ず、これらの指令の3つの組み合わせによって表すことができる。

そのため、
(4つの数字の中から同じ数字を何回も取ることを許して、1度に3つずつ数字を取って作る組合せの数)
=(数字を直接選択する4つの指令と、その他の、数字を間接的に指定する指令2つとから成る合計6つの指令のうちから3つを選ぶ組合せの数)
(4+2)
(解答おわり)

【解答2】

上図のように数字1の行と2の行と3の行と4の行の4つの行を有し、横の長さが3の格子を考える。格子のA点からB点まで、数字1の行から4の行まで格子を辿って、右と上に進む最短経路を描く。

上図で、
数字1の数=(1の行の、A点から昇り階段までの長さ)
数字2の数=(2の行の、階段と階段の間の長さ)
数字3の数=(3の行の、階段と階段の間の長さ)
数字4の数=(4の行の、階段からB点までの長さ)
とすると、

A点からB点まで、格子をたどって右と上に進む1つの最短経路は、
3個の数字を取る場合の、数字1を取った数と数字2を取った数と数字3を取った数ろ数字4を取った数の1つの組合せに
1対1で対応する。
そのため、A点からB点までの全ての経路の数は、
4つの数字の中から同じ数字を何回も取ることを許して、
1度に3つずつ取って作る組合せの数と等しい。
上図の経路は、
→↑→↑→↑
とあらわせる。

図のA点からB点までの全ての経路の数は、(↑)3つと、(→)3つが作る全ての組み合わせの数と等しい。
その数は、
(3+3)
(3+3)!/(3!×3!)
=6×5×4/(3×2)=20
になる。
これは、先の解答と同じ答えである。
(解答おわり)

場合の数と確率
リンク:高校数学の目次

重複組合せ(3) X+Y+Z=N問題と最短経路の数

【問3】
方程式x+y+z=7の負でない整数解は何個あるか。

この問題の解答はここをクリックした先にあります。

場合の数と確率
リンク:高校数学の目次

重複組合せ(2)

答えの正しさを確認しやすいように問題を簡単にしてみました。
【3種の玉から重複を許して2個を選ぶ組み合わせの数】
上図のような3種の玉から、重複を許して2個を選ぶ組み合わせの数を求める。

【解答】
(①の玉の数,②の玉の数,③の玉の数)
の事象の連鎖を考える。
例えば、①の玉を1個、②の玉を1個、③の玉を0個取り出す事象の連鎖は、
(1,1,0)
である。
 このようにしてあらわした、3種の玉の数の組み合せを表す事象の連鎖と1対1に対応する以下の経路を考える。
3種の玉から、重複を許して5個を選ぶ組み合わせの数は、その経路の数に等しい。
上図のように①の行と②の行と③の行との3つの行を有し、横の長さが2の格子を考える。格子のA点からB点まで、①の行から③の行まで格子を辿って、右と上に進む最短経路を描く。

上図で、
玉①の数=(①行の、A点から昇り階段までの長さ)
玉②の数=(②行の、階段と階段の間の長さ)
玉③の数=(③行の、階段からB点までの長さ)
とすると、

A点からB点まで、格子をたどって右と上に進む1つの最短経路は、
2個の玉を取る場合の、玉①を数と玉②を取った数と玉③を取った1つの組合せに
1対1で対応する。
そのため、A点からB点までの全ての経路の数は、3種の玉から、重複を許して2個を選ぶ組み合わせの数と等しい。

上図の経路は、
→↑→↑
とあらわせる。

図のA点からB点までの全ての経路の数は、(↑)2つと、(→)2つが作る全ての組み合わせの数と等しい。
その数は、
(2+2)
(2+2)!/(2!×2!)
=4×3/2=6
になる。
(解答おわり)

場合の数と確率
リンク:高校数学の目次

重複組合せ(1)

【3種の玉から重複を許して5個を選ぶ組み合わせの数】
【問1】
上図のような3種の玉から、重複を許して5個を選ぶ組み合わせの数を求めよ。


【解答】
(①の玉の数,②の玉の数,③の玉の数)
の事象の連鎖を考える。
例えば、①の玉を2個、②の玉を2個、③の玉を1個取り出す事象の連鎖は、
(2,2,1)
である。
 このようにしてあらわした、3種の玉の数の組み合せを表す事象の連鎖と1対1に対応する以下の経路を考える。
3種の玉から、重複を許して5個を選ぶ組み合わせの数は、その経路の数に等しい。

上図のように①の行と②の行と③の行との3つの行を有し、横の長さが5の格子を考える。格子のA点からB点まで、①の行から③の行まで格子を辿って、右と上に進む最短経路を描く。

上図で、
①の数=(①行の、A点から昇り階段までの長さ)
②の数=(②行の、階段と階段の間の長さ)
③の数=(③行の、階段からB点までの長さ)
とすると、

A点からB点まで、格子をたどって右と上に進む1つの最短経路は、
5個の玉を取り、①を取った数と②を取った数と③を取った数の1つの組合せに
1対1で対応する。
その対応の特殊な例では、
①の数が5、②の数が0、③の数が0の組み合わせは、下の図の経路に対応する。

①の数が0、②の数が0、③の数が5の組み合わせは、下の図の経路に対応する。

そのため、A点からB点までの全ての経路の数は、
3種の玉から、重複を許して5個を選ぶ組み合わせの数と等しい。

上図の経路は、
→→↑→→↑→
とあらわせる。
すなわち、経路は、(↑)2つと(→)5つの順列であらわされる。
(A点からB点までの経路は、(↑)2つと(→)5つの順列と1対1対応する)
そのため、図のA点からB点までの全ての経路の数は、(↑)2つと、(→)5つが作る全ての順列の数と等しい。
その数は、
(2+5)!/(2!×5!)
(2+5)(2+5)
になる。
(解答おわり)

場合の数と確率
リンク:高校数学の目次

円順列と数珠順列(10)3種類の玉2+2+2個、バーンサイドの定理の利用

円順列とじゅず順列の数を求めます。

問9を少しやさしくした問10を作りました。
以下でこの問題を解きます。

【問10】
(1)玉×2個と●2個と○2個を円形に並べる方法(円順列)は何通りあるか。
(2)更に、それらを連結したじゅずを作る方法(じゅず順列)は何通りあるか。


(1)円順列の数は以下の様にして求めます。
玉×と●と○を並べる席が2+2+2=6箇所あります。
6つの席が固定されている場合に、玉×2つと●2つと残りの玉2つを並べる配置の総数は、
6!/(2!×2!×2!)=/(2!×2!)
=6×5×4×3/(2×2)=90通り
あります。

(第1のタイプの配置:1/2回転すると元の配置の形に重なる配置)=周期3の配置パターン
 下の2つの円順列の配置では、1/2回転で元の配置の形と同じ形になる。これを第1のタイプの配置とします。


第1のタイプの配置では、1/6回転させる毎に、固定した席に対しては、異なる配置になり、1/2回転するまでに、3つの異なる配置(周期が3)が作られる。
固定席での第1のタイプの配置の数を周期の3で割り算した結果が、第1のタイプの円順列の配置の数です。
 第1のタイプの円順列の数は、上図の2組だけです。
 これが2組になる計算は、以下の様に計算する。
この、1/2回転すると元の配置の形に重なる配置の玉のパターンは、下図のように、

全部の玉を半分にした、玉×1個と、玉●1個と、玉○1個との3個の玉による、1周期が3である第1の玉の群と、その第1の玉の群を1/2回転した位置の第2の玉の群から成る。
 1周期が3であるこの玉の群は、その(固定した3つの席への)玉の配置を上図のようにローテーションさせる毎に、異なる配置になり、席のローテーションにより(固定した3つの席に対して)3つの異なる配置(周期が3)が作られる。
 そのため、第1のタイプの(席を固定しないで考える)円順列の数は、以下の計算で求められる。
すなわち、
(固定した席への)配置の数=3!を、周期の3で割り算した計算:
3!/3=2
で、第1のタイプの円順列の数を求めることができる。


(第2のタイプの配置:1回転して初めて元の配置の形に重なる配置)=周期6の配置パターン
 玉×と●と○の1つの円順列の配置を1回転すると元の配置の形に重なるが、1/6回転させる毎に、固定した席に対しては、異なる配置になり、1回転するまでに、6つの異なる配置(周期が6)が作られる配置を、第2のタイプの配置とします。
固定席での第2のタイプの配置の数を周期の6で割り算した結果が、第2のタイプの円順列の配置の数です。

 第2のタイプの円順列の数は:
(第2のタイプの円順列の数)=
={固定席での配置の総数-(第1のタイプの円順列の配置の数×3)}/6
={90-(2×3)}/6=14
円順列の配置の総数は、この第2のタイプの配置の数に、第1のタイプの円順列の配置の数(2組)を加えた数であり、
14+2=16
組みです。

《バーンサイドの定理の利用》ここをクリックした先に説明がある。
(1)3種類の玉2+2+2個の(固定席への)配置のパターンは、
σ0=0回転、
σ1=1/6回転、
σ2=2/6回転、
σ3=3/6回転、
σ4=4/6回転、
σ5=5/6回転、
によって、配置のパターンが変わり得る。
この回転操作の数G=6個ある。
(2)このうち、
σ0=0回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、6!/(2!×2!×2!)=90個。
σ1=1/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、0個。
σ2=2/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、0個。
σ3=3/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、3!=6個。
σ4=4/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、0個。
σ5=5/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、0個。
(3)バーンサイドの定理によって、
3種類の玉2+2+2個の(席を固定しないで考える)円順列の数=
(90+6)/G=(90+6)/6=16個
である。
(解答おわり)

この円順列の数がバーンサイドの定理の式で計算できる理由は、以下のように式が変形できるからです。


(2)じゅず順列の数は以下の様にして求めます。
 じゅず順列の場合の数を計算するには、円順列の配置毎に、
円の中心を通る所定の裏返し線でその円順列の配置を裏返す場合に、
裏返した結果が、裏返す前の円順列の配置に重なるかどうかを調べます。

(第3のタイプ:線対称な形の配置)
 下図の6個の円順列の配置は、図に書き加えた点線の裏返し線で裏返した結果が裏返す前の元の配置に重なる線対称な形の配置です。

この第3のタイプの円順列の配置の数は6個のみである。その数が、第3のタイプのじゅず順列の配置の数である。

(第4のタイプ:線対称では無い配置)
円順列の配置のうち、第3のタイプの配置以外の配置を第4のタイプの配置とする。

 第4のタイプの配置では、円順列では、元の配置と、裏返した後の配置とは異なるので、2倍の数の配置として数えられている。
すなわち、第4のタイプの配置では、円順列の配置の数が、じゅず順列の配置の数の2倍あり、
第4のタイプの配置のじゅず順列の配置の数は、円順列の配置の数を2で割り算した数である。
第4のタイプのじゅず順列の配置の数は:

((円順列の配置の総数)ー(第3のタイプの円順列の配置の数))/2
=(16-6)/2=5

あります。

一方、第3のタイプの円順列の配置の数=じゅず順列の配置の数=6個でした。
全部のじゅず順列の数は、
(じゅず順列の総数)=
=(第4のタイプのじゅず順列の配置の数)+(第3のタイプのじゅず順列の配置の数)
=5+6=11


    

《バーンサイドの定理の利用》ここをクリックした先に説明がある。
(1)3種類の玉2+2+2個の(固定したじゅずの位置への)配置のパターンに関して、じゅず順列には以下の12個の変換がある。
σ0=0回転、
σ1=1/6回転、
σ2=2/6回転、
σ3=3/6回転、
σ4=4/6回転、
σ5=5/6回転、
β0=反転+0回転、
β1=反転+1/6回転、
β2=反転+2/6回転、
β3=反転+3/6回転、
β4=反転+4/6回転、
β5=反転+5/6回転、
によって、配置のパターンが変わり得る。
この回転+反転操作の数G=12個ある。
(2)このうち、
σ0=0回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、6!/(2!×2!×2!)=90個。
σ1=1/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、0個。
σ2=2/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、0個。
σ3=3/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、3!=6個。
σ4=4/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、0個。
σ5=5/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、0個。
β0=反転+0回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、3!=6個。
(反転操作は、図での上下の線(Y軸)を中心にして左右を入れかえる操作と定義する)
β1=反転+1/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、3!=6個。
β2=反転+2/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、3!=6個。
β3=反転+3/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、3!=6個。
β4=反転+4/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、3!=6個。
β5=反転+5/6回転、によってパターンが変わらない配置パターンは、3!=6個。

 ここで、
σ3=3/6回転、によってパターンが変わらない6個の配置パターン(の1つ)は下図の配置パターンである。

(この2つの配置パターンは、反転すると配置パターンが重なり合うので、じゅず順列としては同じ1つのじゅず順列である)
この1つのじゅず順列の配置パターンを1/6回転づつ回転させた3個の配置パターンと、それを反転させた3個の配置パターンとの合わせて6個の配置パターンが、σ3=3/6回転、によってパターンが変わらない6個の配置パターンである。

β0=反転+0回転、によってパターンが変わらない6個の配置パターン(の1つ)は下図の配置パターンである。

このタイプが(固定席に対しては)以下の6個の配置パターンがある。

(これは1つのバターンを回転させたパターンではない)
 また、左右反転する上下の線(Y軸)と配置のパターンとの位置関係が違うと、
β0=反転+0回転、によってパターンが変わらない6個の配置パターンが、以下の6つの配置パターンになる。

反転の定義をしっかりしないといけない問題点がある。
 また、この6つの配置パターンは、1つのじゅず順列には直接的には対応しない。配置の1つの基礎パターンを1つのじゅず順列に対応させるためには、もう少し工夫が必要である。

β1=反転+1/6回転、によってパターンが変わらない6個の配置パターン(の1つ)は下図の配置パターンである。

このタイプが(固定席に対しては)6個の配置パターンがある。

β2=反転+2/6回転、によってパターンが変わらない6個の配置パターン(の1つ)は下図の配置パターンである。

このタイプが(固定席に対しては)6個の配置パターンがある。

β3=反転+3/6回転、によってパターンが変わらない6個の配置パターン(の1つ)は下図の配置パターンである。

このタイプが(固定席に対しては)6個の配置パターンがある。

β4=反転+4/6回転、によってパターンが変わらない6個の配置パターン(の1つ)は下図の配置パターンである。

このタイプが(固定席に対しては)6個の配置パターンがある。

β5=反転+5/6回転、によってパターンが変わらない6個の配置パターン(の1つ)は下図の配置パターンである。

このタイプが(固定席に対しては)6個の配置パターンがある。

 以上のように、σ0 以外の変換の要素、σ3、β0、β1、β2、β3、β4、β5、の変換によってパターンが変わらない配置パターンを抽出することで、回転対称性のある配置パターンと反転対称性がある配置パターンが抽出された。
 それ以外の配置パターンは、回転対称性も反転対称性もない配置パターンである。回転対称性も反転対称性もない配置パターンは、回転変換と反転変換とによって、(固定席に対する)12個の配置パターンに変わる。

(3)バーンサイドの定理によって、
3種類の玉2+2+2個の(席を固定しないで考える)配置の基礎パターンの数=
(90+6×7)/G=(90+42)/12=11個
である。(ただし、配置の1つの基礎パターンを1つのじゅず順列に対応させるには、もう少し工夫が必要である)
(ここまでの考察だけでは、バーンサイドの定理が与える配置の基礎パターンの数がじゅず順列の数と等しいことは証明できていない)

【じゅず順列の数の解答(その3)】
 円の中心を通る所定の裏返し線で固定席への配置パターンを裏返す(反転変換する)場合に、
反転結果が、反転前の配置に重なるかどうかを調べる。
(第3のタイプのじゅず順列:線対称性を持つ)
 下図の6個のじゅず順列の配置パターン(変換β0、β1、β2、β3、β4、β5 によって配置パターンが変わらないもの)は、図に書き加えた点線の裏返し線で裏返した反転結果が反転前の元の配置に重なる線対称な形の配置である。

この6個の線対象なじゅず順列は、回転変換と反転変換とにより、配置が変えられる配置パターンのバラエティの数が6である。すなわち、1/6回転で6回回転させることで6つの形に変換できる。

(第1のタイプのじゅず順列:1/2回転させると元にもどる回転対称性を持つ)
 下の2つの配置パターン(変換σ3 によって配置パターンが変わらないもの)は、1/2回転で元の配置の形と同じ形になる回転対称性がある第1のタイプの配置パターンである。

上図の2つの配置パターンは、反転すると配置パターンが重なり合うので、じゅず順列としては同じ1つのじゅず順列である。
 この1つのじゅず順列は、回転変換と反転変換とにより、配置が変えられる配置パターンのバラエティの数が6である。

 以上の7つの、線対象なパターンと、回転対称性があるパターン、とのじゅず順列は、いずれも配置パターンのバラエティが6である。

(第5のタイプ:対称性が無い配置)
 その7つ以外の、線対象性も無く、回転対称性も無い第5のタイプの配置パターンは、回転変換と反転変換とにより、固定席に対する配置パターンを変えられる配置パターンの数(配置のバラエティの数)が12である。
そのため、第5のタイプのじゅず順列の数は、
{固定席での配置の総数-(第3のタイプのじゅず順列の数+第1のタイプのじゅず順列の数)×6}/12

={90-(6+1)×6}/12=4
じゅず順列の配置の総数は、この第5のタイプのじゅず順列の数に、第3のタイプと第1のタイプのじゅず順列の数を加えた数であり、
4+6+1=11
組みです。
(解答おわり)

このじゅず順列の数がバーンサイドの定理の式で計算できる理由は、以下のように式が変形できるからです。


リンク:
バーンサイドの補題を群論の言葉を用いず具体例で説明する+東大数学・化学の問題をバーンサイドの補題を用いて解く
場合の数と確率
高校数学の目次

円順列とじゅず順列(9)3種類の玉2+2+4個

リンク:問10

円順列とじゅず順列の数を求めます。

以下の問題はかなり難しい(特に、じゅず順列の数の計算)ので、無理して読む必要は無いと思います。
この問題より先に、問10をやってください。
この問9は、どうしても読みたい人だけ読めば良いと考えます。

【問9】
(1)×2個と●2個と○4個を円形に並べる方法(円順列)は何通りあるか。
(2)更に、それらを連結したじゅずを作る方法(じゅず順列)は何通りあるか。


(1)先ず、円順列の数を求めます。
〔解1〕
 ×と●と○を並べる席が2+2+4=8箇所あります。

8つの席が固定されているならば、×2つと●2つと残り4つを並べる組み合わせの数は、
8!/(4!×2!×2!)=/(2!×2!)
=8×7×6×5/(2×2)=420通り
あります。
×と●と○の1つの円順列の配置を回転させると、固定した席に対しては8倍の異なる配置になる場合があります。
固定した席への配置する場合の数の420通りの配置のうち、1つの円順列の配置を回転させて8倍の配置ができる場合については、その場合の数を8で割り算して円順列の数を数えます。

(第1のタイプの配置)
下の3つの円順列の配置では、1/2回転で元の形と同じ形になります。

このタイプの配置では、1つの円順列の配置を回転させて4倍の配置ができます。
この3つの円順列の配置以外では、1回転の数分の1の回転で元の形と同じ形になるものはありません。
第1のタイプ以外の配置では、1回転で元の形に戻る配置であって、円順列で1つと数えられる配置を回転して(固定した席では)8倍の配置ができます。
第1のタイプ以外の円順列の数は、
第1のタイプ以外の円順列の数
=(固定席での全部の配置の数-(第1のタイプの円順列の数×4))/8
=(420-(3×4))/8=408/8=51
一方、第1のタイプの円順列の数は3組でした。
よって、全部の円順列の数は、
51+3=54
組みです。
(解1おわり)

〔解2〕
 以下のように考えて解くことができます。
(第1のタイプの配置:(1/2)回転で元の形と同じ形になる配置)

 (1/2)回転すると元の形に戻る第1のタイプの配置パターンの場合は、上図のように、黒玉●については、黒玉●が、元の位置から(1/2)回転した位置にもあるように繰り返して存在し、結局、黒玉●が中心対称な位置に2個ある配置パターンになる。第1のタイプの配置パターンは、そのように、各色の玉が中心対称な位置にある配置パターンである。
 第1のタイプの配置パターンは、配置パターンの円の1/2の部分の、4個の玉の部分が1周期になって、それが2回繰り替えされて全ての玉の配置が決まる配置パターンである。
そのため、第1のタイプの玉の配置は、席が固定された場合の配置の数は、1周期である、円順列の円の1/2の部分の4個の玉の並べ方の数で計算する。その数は、上図のように1個の×の位置を固定して考え、その配置の数は1個の●の位置のバラエティの数である。その数は上図のように3組ある。
 第1のタイプの配置パターンは、1/8回転する毎に、固定した席に対しては、異なる配置になり、1周期である1/2回転するまでに、0回転、(1/8)回転、(2/8)回転、(3/8)回転、した場合の4つの異なる配置が作られる。
 席を固定した場合の、第1のタイプの配置のパターンの数は、席を固定しない場合の配置パターンの数3の4倍になる。その数は:
3×4=12
個である。

(1回転すると元の形に戻る(全部の)配置)
 1回転して元の形になる全ての配置パターンには、第1のタイプの配置が含まれる。 全配置パターンの、席が固定された場合の配置の数は、以下のように計算する。
 ×と●と○を並べる席が2+2+4=8箇所ある。
8つの席が固定されているならば、×2つと●2つと残り4つを並べる組み合わせの数は、
8!/(4!×2!×2!)=/(2!×2!)
=8×7×6×5/(2×2)=420個
ある。

(第1のタイプ以外の配置:1回転して初めて元の形に戻る配置)
 全部の組合せの数から、第1のタイプの配置パターンの数を引き算することで、1回転して初めて元の形に戻る、(席を固定した場合の)配置の数を求める。その数は:
420-(3×4)=408
個ある。
 この、第1のタイプ以外の配置パターンは、1/8回転する毎に、固定した席に対しては、異なる配置になる。すなわち、1周期である1回転するまでに、0回転、(1/8)回転、(2/8)回転、(3/8)回転、(4/8)回転、(5/8)回転、(6/8)回転、(7/8)回転した8つの場合で8つの異なる配置が作られる。
 席を固定しない場合の、この第1のタイプ以外の配置の数は、席を固定した場合の配置の数408の8分の1になる。その数は:
408/8=51
組ある。

(全部の円順列の数)
 以上の合計の、席を固定しない場合の、全部の円順列の配置パターンの数は:
3+51=54
組ある。
(解2おわり)

(2)次に、じゅず順列の数を求めます。
じゅず順列の場合の数を計算するには、円順列の配置毎に、
円の中心を通る裏返し線でその円順列の配置を対称に裏返して、
それが、裏返す前と同じ円順列の配置になる配置があるかどうかを調べます。

(第2のタイプ:線対称な配置)
下の12の配置は、円の中心と×の配置の中間を通る裏返し線に関して対称な形であって、
裏返し線で裏返した配置の形が元の配置と同じ形になるタイプの配置です。

この第2のタイプの円順列は12個のみです。
第2のタイプ以外の配置では、線対称な形では無いので、裏返した形は、元の形を回転することでは作れません。
第2のタイプ以外の円順列の配置は、元の配置と、裏返した後の配置とは異なる2個の配置と数えられています。
このように、第2のタイプ以外の配置は、円順列では2倍に数えられているので、
第2のタイプ以外の配置の、じゅず順列の数は、倍率である2で割り算して求められ、その数は、
(54-12)/2=21
あります。
一方、第2のタイプのじゅず順列の数は12個でした。
そのため、全部のじゅず順列の数は、
じゅず順列の数=21+12=33

場合の数と確率
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円順列とじゅず順列(8)3種類の玉2+2+3個

円順列とじゅず順列の数を求めます。

【問8】
(1)×2個と●2個と○3個を円形に並べる方法(円順列)は何通りあるか。
(2)更に、それらを連結したじゅずを作る方法(じゅず順列)は何通りあるか。
(1)先ず、円順列の数を求めます。
×と●と○を並べる席が2+2+3=7箇所あります。
7つの席が固定されているならば、×2つと●2つと残り3つを並べる組み合わせの数は、
7!/(3!×2!×2!)=/(2!×2!)
=7×6×5×4/(2×2)=210通り
あります。
--------補足------------
この計算は、以下のように計算することもできます。
7!/(3!×2!×2!)=7!/(2!×2!×3!)
=(2)(2)
=(7×6)(5×4)/(2×2)=210通り
-------補足おわり-------

 玉×と●と○の1つの円順列の配置を回転させると、固定した席に対しては7倍の異なる配置になります。
もし1回転の数分の1の回転で元の形と同じ形になる配置があれば、それは7倍とは異なる倍数の配置ができますが、
この問題の場合では、1回転の数分の1の回転で元の形と同じ形になるものはありません。
そのため、固定した席への配置する場合の数の210通りの配置の数は、1つの円順列の配置を回転してできる7倍の配置の数であるので、その配置の数210を7で割り算して円順列の数を数えます。
よって、全部の円順列の数は、
円順列の数=210/7=30
です。

(2)次に、じゅず順列の数を求めます。
じゅず順列の場合の数を計算するには、円順列の配置毎に、
円の中心を通る裏返し線でその円順列の配置を対称に裏返して、
それが、裏返す前と同じ円順列の配置になる配置があるかどうかを調べます。

(第1のタイプ:線対称な配置)
下の6つの形の配置は、円の中心と×の配置の中間点を通る裏返し線を配置の中心軸にすれば、
裏返し線で裏返した配置の形を、元の配置と同じ形にできる線対称な形の配置です。
この第1のタイプの配置は6個のみです。
第1のタイプ以外の配置では、線対称では無いので、それを裏返した形は、元の形を回転することでは作れません。
円順列では、第1のタイプ以外の配置では、元の配置と、裏返した後の配置とは異なる2個の配置と数えられています。
このように、第1のタイプ以外の配置は、円順列では2倍に数えられているので、
第1のタイプ以外の配置の、じゅず順列の数は、倍率である2で割り算して求められ、その数は、
第1のタイプ以外のじゅず順列の数
=(全部の円順列の数-第1のタイプの円順列の数)/2
=(30-6)/2=12
あります。
一方、第1のタイプのじゅず順列の数(=円順列の数)は6個でした。
そのため、全部のじゅず順列の数は、
じゅず順列の数=12+6=18

場合の数と確率
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円順列とじゅず順列(7)黒玉3つ白玉4つ

円順列とじゅず順列の数を求めます。

【問7】
(1)●3個と○4個を円形に並べる方法(円順列)は何通りあるか。
(2)更に、それらを連結したじゅずを作る方法(じゅず順列)は何通りあるか。


(1)先ず、円順列の数を求めます。
玉●と○を並べる席が3+4=7箇所あります。
7つの席が固定されているならば、玉●3つを並べる組み合わせの数は、
=7×6×5/(3×2)=35通り
あります。
席への●と○の1つの円順列の配置は、1回転して元の形に戻り、その間の1/7ずつの回転では、固定した席に対しては異なる7つの配置になります。
そのため、席を固定して配置した場合の数は、1つの配置が回転した数がだぶって数えられています。
この問題の場合に、回転することによってできる配置の数は7倍あります。
1つの回転から7倍の配置ができる組み合わせの数は、固定した席の組み合わせの数を7で割り算して数えます。
それは下の図のような●の配置の場合です。

もし、1回転の数分の1の回転で元の形と同じ形になる配置があれば、それは7倍とは異なる倍数の配置ができますが、
この問題の場合では、1回転の数分の1の回転で元の形と同じ形になるものはありません。
つまり、この問題の場合では、席を固定した場合のどの配置も、円順列で1つと数えられる配置を回転して7倍になった配置であって、全て同じタイプの配置です。
よって、全部の円順列の数は、
円順列の数=35/7=5


(2)次に、じゅず順列の数を求めます。
じゅず順列の場合の数を計算するには、円順列の配置毎に、
円の中心を通る裏返し線でその円順列の配置を対称に裏返して、
それが、異なる円順列の配置になるかどうかを調べます。

(第1のタイプ:線対称な配置)
下の形の配置は、円の中心を通る裏返し線を配置の中心軸にすれば、
裏返し線で裏返した配置の形を、元の配置と同じ形にできるタイプの配置です。

この第1のタイプの配置は3個あります。
第1のタイプ以外の配置(線対称では無い配置)では、その配置を裏返し線で裏返した形は、元の形を回転することでは作れません。
円順列では、第1のタイプ以外の配置では、元の配置と、裏返した後の配置とは異なる2個の配置と数えられています。
このように、第1のタイプ以外の配置は、円順列では2倍に数えられているので、
第1のタイプ以外の配置の、じゅず順列の数は、倍率である2で割り算して求められ、その数は、
(5-3)/2=1
あります。
一方、第1のタイプのじゅず順列の数は3個でした。
そのため、全部のじゅず順列の数は、
じゅず順列の数=1+3=4

場合の数と確率
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円順列とじゅず順列(6)3種類の玉1+2+4

円順列とじゅず順列の数を求めます。

【問6】
(1)×1個と●2個と○4個を円形に並べる方法(円順列)は何通りあるか。
(2)更に、それらを連結したじゅずを作る方法(じゅず順列)は何通りあるか。


(1)先ず、円順列の数を求めます。
この問題では、×が1個のみです。
このように、ある形の玉が1個のみの問題の考えかたは、以下のようにします。
つまり、その1個のみの玉×を円の最上部に固定して考えます。
円順列の数は、残りの●2個と○4個を並べる組み合わせの数になります。
●の位置を定めると残りの○の位置が自動的に決まりますので、●の配置の数だけを求めれば、
円順列の数が求められます。
その配置の数は、
=6×5/2=15通り
あります。
そのため、全部の円順列の数は、
円順列の数=15

(2)次に、じゅず順列の数を求めます。
じゅず順列の場合の数を計算するには、円順列の配置毎に、
円の中心と玉×を通る裏返し線でその円順列の配置を対称に裏返して、
それが、異なる円順列の配置になるかどうかを調べます。

(第1のタイプ:線対称な配置)
下の3つの形の場合は、×と円の中心を通る線で円順列の配置を裏返してできる配置の形が、元の配置と同じ形になります。

この(第1のタイプの配置の)円順列は3つしかありません。
(第2のタイプ:線対称で無い配置)
 第2のタイプの円順列の配置は、裏返してできる配置の形が、元の配置と同じ形にならない。

その配置は、元の形と、それを裏返した形が別の配置として2個と数えられています。
そのため、第2のタイプの円順列に対応する、第2のタイプのじゅず順列の数は、
{(全ての円順列の数)-(第1のタイプ以外のじゅず順列の数)}=(第2のタイプの円順列の数)
を2個で割り算した数であり、以下の式で計算できる。
第2のタイプのじゅず順列の数=

=(-3)/2
=(15-3)/2
=6
である。

一方、第1のタイプのじゅず順列の数=3
です。
そのため、全部のじゅず順列の数は、
全部のじゅず順列の数=
=6+3
=9


場合の数と確率
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円順列とじゅず順列(5)3種類の玉が1+2+3個

円順列とじゅず順列の数を求めます。

【問5】
(1)玉×1個と●2個と○3個を円形に並べる方法(円順列)は何通りあるか。
(2)更に、それらを連結したじゅずを作る方法(じゅず順列)は何通りあるか。


(1)先ず、円順列の数を求めます。
この問題では、玉×が1個のみです。
このように、ある形の玉が1個のみの問題の考えかたは、以下のようにします。
つまり、その1個のみの玉×を円の最上部に固定して考えます。
円順列の数は、残りの●2個と○3個を並べる組み合わせの数になります。
●の位置を定めると残りの○の位置が自動的に決まりますので、●の配置の数だけを求めれば、
円順列の数が求められます。
その配置の数は、
=5×4/2=10通り
あります。
そのため、全部の円順列の数は、
円順列の数=10

(2)次に、じゅず順列の数を求めます。
じゅず順列の場合の数を計算するには、円順列の配置毎に、
円の中心と×を通る線でその円順列の配置を対称に裏返して、
それが、異なる円順列の配置になるか(配置が線対称では無いか)どうかを調べます。

(第1のタイプ:線対称な配置)
下の2つの形の場合は、×と円の中心を通る線で円順列の配置を裏返してできる配置の形が、元の配置と同じ形になる、線対称な形の配置です。この配置では、じゅず順列の配置の数が円順列の配置の数と同じです。

この(第1のタイプの配置の)円順列の配置の数は2つしかありません。
(第2のタイプ:線対称では無い配置)
第2のタイプの配置は、線対称では無く、裏返してできる配置の形が、元の配置と同じ形にならない。

その配置は、元の形と、それを裏返した形が別の配置として2個に数えられています。
そのため、第2のタイプの配置の、じゅず順列の数は、
第2のタイプのじゅず順列の配置の数=
=第2のタイプの円順列の配置の数/2
=(全ての円順列の配置の数-第1のタイプの配置の数)/2

=(-2)/2=(10-2)/2=4
一方、第1のタイプのじゅず順列の配置の数=2
です。
そのため、全部のじゅず順列の数は、
じゅず順列の数=4+2=6

場合の数と確率
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円順列とじゅず順列(4)3種類の玉が1+1+4個

円順列とじゅず順列の数を求めます。

【問4】
(1)×1個と●1個と○4個を円形に並べる方法(円順列)は何通りあるか。
(2)更に、それらを連結したじゅずを作る方法(じゅず順列)は何通りあるか。


(1)先ず、円順列の数を求めます。
この問題では、玉×が1個のみです。
このように、ある形の玉が1個のみの問題の考えかたは、以下のようにします。
つまり、その1個のみの玉×を円の最上部に固定して考えます。
円順列の数は、残りの●1個と○4個を並べる組み合わせの数になります。
●の位置を定めると残りの○の位置が自動的に決まりますので、●の配置の数だけを求めれば、
円順列の数が求められます。
その配置の数は、
=5通り
あります。
そのため、全部の円順列の数は、
円順列の数=5


(2)次に、じゅず順列の数を求めます。
じゅず順列の場合の数を計算するには、円順列の配置毎に、
円の中心と玉×とを通る裏返し線でその円順列の配置を対称に裏返して、
それが、異なる円順列の配置になるか(配置が線対称では無いか)どうかを調べます。

(第1のタイプ:線対称な配置)
下の形の場合は、×と円の中心を通る線で円順列の配置を裏返してできる配置の形が、元の配置と同じ形になります。

この(第1のタイプの)円順列の数は、じゅず順列の数と同じです。
この第1のタイプのじゅず順列の数は1つしかありません。

(第2のタイプ:線対称では無い配置)
第2のタイプ(線対称な配置)を裏返し線で裏返してできる(円順列の)配置の形は、元の配置を回転して作る全ての配置と異なる形の配置になります。
つまり、第2のタイプの配置では、円順列の配置の数がじゅず順列の配置の数の2倍あります。
そのため、第2のタイプのじゅず順列の配置の数は、そのタイプの円順列の配置の数を2で割り算することで計算でき、
第1のタイプ以外のじゅず順列の数
=(全部の円順列の数-第1のタイプの円順列の数)/2
=(-1)/2=(5-1)/2=2

一方、第1のタイプのじゅず順列の数=1
であるため、全部のじゅず順列の数は、
じゅず順列の数=2+1=3

場合の数と確率
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円順列とじゅず順列(3)黒玉3つ白玉3つ

円順列とじゅず順列の数を求めます。

【問3】
(1)●3個と〇3個を円形に並べる方法(円順列)は何通りあるか。ただし、円順列において、●同士を区別せず、〇同士を区別しないものとする。
(2)更に、それらを連結したじゅずを作る方法(じゅず順列)は何通りあるか。


【問3】(1)の解答
 先ず、円順列の数を求めます。
〔解1〕
玉●と○を並べる席が3+3=6箇所あります。
6つの席を固定した場合の、玉●3つを並べる組み合わせの数は、
=6×5×4/(3×2)=20通り
あります。
席への玉●と○の1つの配置を回転させると、席を固定した場合は異なる配置になります。
そのため、席を固定した場合の配置の数は、元の配置が回転した数がだぶって数えられています。

(第1のタイプ:1回転すると元の形に戻る配置)
 上図の形の配置の場合に、1回転すると元の形に戻る。これが第1のタイプの配置です。 この配置(元の配置)を1/6回転する毎に(席を固定した配置では)異なる配置になり、6つの配置ができる。
第1のタイプの配置において、固定した席での配置の数を6で割り算した数が、回転しても重ならない元の配置の数になる。

(第2のタイプ:1/3回転すると元の形に戻る配置)
 上図の形の配置の場合、1/3回転すると元の形に戻る。これが第1のタイプの配置です。この配置を1/6回転すると、2つの配置ができる。第2のタイプの配置において、固定した席での配置の数を2で割り算した数が、回転しても重ならない元の配置の数になる。この第2のタイプの配置の円順列の数は上図に示した1つのみです。

 一方、玉●と玉○が3つずつの円順列の配置では、 2分の1回転で元の形と同じ形になるものは無い。


(第1のタイプの配置の数)
 第2のタイプの配置以外が第1のタイプの配置なので、(席を固定した場合の)第1のタイプの配置の数は
(席を固定した場合の)第1のタイプの配置の数
=(全部の配置の数)-(第2のタイプの配置の数)
-(1×2)=20-2=18
です。
(第1のタイプの配置の円順列の数)
 (席を固定した場合の)第1のタイプの配置の数を6で割り算することで、第1のタイプの配置の円順列の数が得られます。
第1のタイプの配置の円順列の数=18/6=3

(全部の円順列の数)
一方、第2のタイプの配置の円順列の数は1個でした。
そのため、全部の円順列の数は、
円順列の数=3+1=4
個ある。

(解1おわり)

〔解2〕
 以下のように考えて解くことができます。
 第2のタイプの配置の数から先に求めます。
(第2のタイプ:(1/3)回転すると元の形に戻る配置)

 1/3回転すると元の形に戻る第2のタイプの配置パターンの場合は、上図のように、黒玉●については、黒玉●が、元の位置から(1/3)回転した位置にもあり、(2/3)回転した位置にもあるように繰り返して存在し、結局、黒玉●が三角形状に3個ある配置パターンになる。第2のタイプの配置パターンは、そのように、各色の玉が三角形状の形にある配置パターンである。
 第2のタイプの配置パターンは、配置パターンの円の1/3の、2個の玉で構成される部分が1周期になって、それが繰り替えされて全ての玉の配置が決まる配置パターンである。
そのため、第2のタイプの玉の配置は、席が固定された場合の配置の数は、1周期である、円順列の円の1/3の部分の2個の玉の並べ方の数で計算する。その数は、個=2個ある。
 第2のタイプの配置パターンは、1/6回転する毎に、固定した席に対しては、異なる配置になり、1周期である1/3回転するまでに、0回転、(1/6)回転した場合の2つの異なる配置が作られる。
 席を固定しない場合の、第2のタイプの配置のパターンの数は、席を固定した場合の配置パターンの数()の2分の1になる。その数は:
)/2=1
個ある。

(1回転すると元の形に戻る(全部の)配置)
 1回転して元の形になる全ての配置パターンには、第2のタイプの配置が含まれる。 全配置パターンの、席が固定された場合の配置の数は、=20個ある。
 この数から、第2のタイプの配置パターンの数を引き算することで、1回転して初めて元の形に戻る第1のタイプの、(席を固定した場合の)配置の数を求める。その数は:
=18
個ある。
 この、引き算した結果である、第1のタイプの配置パターンは、1/6回転する毎に、固定した席に対しては、異なる配置になり、1周期である1回転するまでに、0回転、(1/6)回転、(2/6)回転、(3/6)回転、(4/6)回転、(5/6)回転した場合の6つの異なる配置が作られる。
席を固定しない場合の、この第1の配置のパターンの数は、席を固定した場合の配置パターンの数()の6分の1になる。その数は:
)/6=3
個ある。

(全部の円順列の数)
 以上の合計の、席を固定しない場合の、全部の円順列の配置パターンの数は:
1+3=4
個ある。
(解2おわり)

【問3】(2)の解答
 次に、じゅず順列の数を求めます。
じゅず順列の場合の数を計算するには、円順列の配置毎に、
円の中心を通る裏返し線に関してその円順列の配置を対称な形に裏返して、
それが、異なる円順列の配置になるかどうかを調べます。すなわち、その配置が線対称では無いか、線対称であるかを調べます。

(第3のタイプ:線対称で無い配置)
下の形の配置の場合は、配置を裏返してできる形が、元の配置を回転することではできない形になります。

円配列では、この形と、これを裏返した形が別の配置として2個と数えられています。

(第4のタイプ:線対称な配置)
それ以外の形の配置は、裏返した形が、元の配置を回転しても作れます。
すなわち、3つの●の配置の中点と円の中心を通る裏返し線で裏返した形は、裏返す前の配置と重なる同じ形になります。
これを第4のタイプの配置と呼びます。
このような対称な形の配置は以下の2つのみです。

第4のタイプの配置(線対称な配置)はじゅず順列でも円順列でも同じ2個の数と数えられています。

第3のタイプのじゅず順列の配置は円順列では2倍に数えられています。
そのため、第3のタイプのじゅず順列の数は、
第3のタイプのじゅず順列の数=
{円順列の総数-(第4のタイプのじゅず順列の数)}/2
=(4-2)/2=1
一方、第4のタイプのじゅず順列の数は2個です。
そのため、じゅず順列の数は、
じゅず順列の数=1+2=3

場合の数と確率
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